ファソンれんぞくさつじんじけん

1986年から1991年に掛け 華城市近辺の小さな村で起こった9件の連続強姦殺人事件。
その異常性は韓国史上 例を見ない残虐非道なものだった。アジア全土を震撼させた事件の概要は 以下の通りである

1986.9.15  早朝6:20
 台安邑
71歳 農業 9.14 娘宅に宿泊後の帰宅途中 畑の中にて殺害。下半身は裸。足をx字に縛り、腹部に密着させる。絞殺。
1986.10.20  21:00頃
台安邑
25歳 家事手伝い 知人の紹介で見合いをした後、バス停に向かう途中に殺害。農水路の中に全裸で足を曲げた状態で遺棄。
胸部にドライバーのようなものの刺し傷が4ヶ所あったが死因は絞殺。 

・精液反応_有り血液判定不可能 ・牛乳パック2個_O型・B型 ・タバコの吸殻._B型 ・毛髪6本_O..2本 B...4本
1986.12.12 23:00頃
正南面

24歳 主婦 夫との会食後 バスに乗って帰宅途中行方不明に..(夫は会食後会社に戻った)
131日後 自宅より50mしか離れていない田の畦の中で腐乱遺体で発見される。
被害者の頭から顔にパンティが被せられていた。口にはガードルとストッキングがつめられ、ストッキングの片方が首に巻きつけられていた。

・毛髪・陰毛_A型 ・精液反応_有り血液判定不可能 ・軍手_異物付着なし・職業推測不可能。
1986.12.14 23:00
台安邑

21歳 会社員 水原市にある喫茶店でお見合いした後、バスで帰宅途中行方不明。7日後、農民が田の畦に積まれた胡麻の束の中に
赤い布を見つけ  両手を後ろに回したままブラウスで縛られ、頭にはガードルを被せ ストッキングが首に巻きつけられた遺体を発見した。

・被害者が所持した傘で陰部を乱交  ・血痕・毛髪・陰毛_B型 ・ハンカチ_唾液・精液反応 陽性 判定不可能
1987.1.10 20:50
台安邑

18歳 学生 学校の帰り 友人と別れ一人バスに乗った後 行方不明に..翌日 畑の稲束の中から遺体として発見される。
両手を後ろに縛りマフラーで絞殺。口には靴下が詰められ 服は一度脱がせ再び着せている。

・毛髪・陰毛 ・ブラウスリボン_B型 ・膣内・布切れ_精子反応有り
1987.5.2 23:00
台安邑

29歳 主婦 家から傘を2本持って夫を迎えに村のいり口に向かう途中に殺害。夫の捜索願いを受け 付近を捜査 
松の枝の下から  ブラジャーブラウスで首を絞め上半身だけ裸 下はジャージ姿の遺体を発見。

・足跡_24.5cm 近くの畑で発見される。 ・陰毛・ジャンパー_共にA型反応 ・傘_ぼろぼろ..指紋なし
1988.9.7 21:30
八灘面

54歳 主婦 長男が経営する食堂を手伝った後の帰路途中に殺害。小川の近くの草むらの農水路脇から ブラウスで両手を後ろ手に縛られ 
口には靴下ハンカチ ブラウスのリボンで首を絞められ 陰部には 桃の欠片が入れられていた。
*場所は水原市から29kmも離れたところ。ここで 犯人を乗せたバス運転手が犯人を目撃している。


・靴・サンダル ・陰毛・毛髪・血の付いた下着_AB型 ・下着の染み_精液反応有り ・桃のかけら_9個
1990.11.15 18:30
台安邑

14歳 学生 学校から帰宅途中 地下道で友人と別れ一人帰宅途中に石材店の裏の野山で強姦殺害。
翌日 同所で松の枝に隠された遺体を両親は警察同伴で発見する。ストッキングで弓の様に後ろで両手足を縛られ
両胸に浅い傷が20ヶ所ほどあった。口にはブラジャー............陰部には ボールペン・フォーク・スプーン挿入
....................................今回初めて抵抗の痕跡がみられた................................

・弁当箱_照合可能の指紋1点採取 ・毛髪_白髪1本 血液鑑定困難 ・ブラウス・ブラジャー・制服上着_精液B型
1991.4.3 21:00
東灘面

69歳 無職 長女の家からの帰宅途中 自宅から150m程しか離れていない場所(松林)で殺害。
ストッキングで首を絞め下半身だけ下着。膣内に靴下を挿入。

・靴下_精液反応あり B型
1986.11.30 21:00 
45歳 教会へ行く途中後ろから刃物で脅され 田の畦へ.. 犯人は 衣類を脱がせ 両手を後ろに縛り パンティで口を塞ぎ 
ガードルを頭から被せ レイプした。途中落としたバッグを取りに行こうとした犯人の隙をみて逃走。村に逃げ延びる事が出来た。 唯一の生存者
*目撃者の証言及び状況証拠に寄る 犯人像*

1.身長は 160〜170cm 痩せ型
2.靴のサイズは 24.5cm
3.年齢は25〜27歳(1986年)
4.低い声
5.切れ長 つり目。 鼻筋が通っている。
6.スポーツ刈が伸びたような髪形。
7.B型
8.犯行は被害者の遺留品を使用する。
9.白髪より..整備工 もしくは機械や金属を10年以上
扱っている。
動員数 警察・機動隊合わせ 約167万名

容疑者及び捜査対象者  21000余り

DNA鑑定 570名

毛髪鑑定 180名

指紋鑑定 40116名

* 捜査線上に浮かんだ容疑者たち * 一例

・霊媒師が霊視した 丘の向こうに住む 片腕の不自由な30代の男
・40代 工員 「赤い服を着た女は2日以内に死ぬ」とウェトレスに話した。
・16歳 学生 尋問中死亡。担当刑事は懲戒免職。
・38歳 村中を駆け回る 統合失調症者。電車に飛び込み自殺


/////2006年4月2日で全ての事件に時効が成立した。////
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この2ヶ月後担当であった京畿(キョンギ)警察庁のハ・スンギュン捜査指揮官は退任。下記はハ・スンギュン捜査指揮官のインタビューを犯人へのメッセージとして手紙方式に再構成したものである。
「カプトリ」・・・私は君をそう呼ぶ。気に入ってくれるかどうか分からないが、君の存在を忘れないよう、10年余前に私がつけたあだ名だ。1人なのか2人なのか、それともそれ以上の人数なのか分からないが、とにかく君、または君たちに会うために、私はこれまで随分苦労してきた。君たちはその反対だったろうがね。

 カプトリ。私は最近また華城で勤務している。君も知っているかもしれないが、昨年末、華城で帰宅途中の女子大生が行方不明になり殺害された事件があった。その事件が未だに解決していないから、そこで捜査指導をしているのさ。

 しかし、しぶとい悪縁だな。この事件で女子大生が行方不明になり殺害された場所はあの町だ。君または君たちが貴い命を残酷に踏みにじったあの町。捜査本部もあの時のあの派出所にある。どんな気分だ?

 もう君を捕まえても8回目の事件までは「罪」を問うことができない。9回目の事件の公訴時効は来月、最後の10回目の事件は来年の4月で満了するそうだ。私も来年の6月で定年だ。今回(21日)が現職で迎える最後の「警察の日」になるってことだ。時効満了に担当刑事の定年か・・・。また世間の格好の話題になるだろうな。私はもっとみじめになる。君の手には必ず私が手錠をかけようと思っていたのに、その手錠ももうすぐ使えなくなる。

 私は自分が刑事として恵まれた人間だと思っている。1971年、警察になってから強力課の刑事になり、292人の殺人犯をはじめ、私が刑務所に送った人間が数千人にはなるだろう。上がその点を認めてくれたお陰で、2004年7月から1年間は全羅(チョンラ)北道・任実(イムシル)で「総警」ではなく「警正(キョンジョン、総警の下の階級)」として所長までしてみたよ。

 でもそんなことが何になる。君がまだ残っているのに。

 1回目と2回目の事件が発生した後、だから86年12月、水原(スウォン)警察署・刑事係長として勤務していた時から華城事件の捜査本部で勤務することになったのだから、来年でちょうど20年だな。

 数か月間も家に帰らず、君を捕まえようと気でも狂ったのように走り回った。妻と子どもたちの誕生日は忘れても、君の犯行日時、手口は今でも全部覚えているよ。

 私の部下は過労で倒れ、今でも半身不随のままだ。もう1人の部下は容疑者を無理矢理事情聴取し、死亡させるという過ちまで犯してしまった。私も「職位解除」されたしね。

 そんな中でも君は私たちをあざ笑うかのように、悠々と次の犯行を犯してくれたね。どうしてなんだ?

 君もきっともう中年になったろう。君はひどく内向的で社交性のない性格なのに、結婚はできたか?子どもはいるのか?

 君もあの映画、『殺人の追憶』を観たか?私は「犯人も捕まえられなかった警察」という立場で大勢の人が集まる映画館にはどうしても行くことができず、1人でドライブイン・シアターで観たよ。1人で泣きに泣いた。

 70歳を過ぎた老婆もいた。母親のことは思い出さなかったのか?結婚したばかりの女性も、20歳のうら若き女性も、まだ幼い女子高生、女子中学生もいた。助けてくれと哀願されただろう?

 私は君が行った所に行き、死体を見ながら怒りを抑えることができなかった。そして君を捕まえたら決して法廷には立たせない、自分で直接手を下すと誓ったよ。

 しかしそれが何だというのだ。私は結局、君を捕まえることができず、後輩たちや被害者家族にとっては生涯「罪人」だ。

 私は最近も夢を見る。君が犯した悪魔のような犯罪。全裸で縛られたまま変態じみた乱暴をされた姉、妹、娘のような女性たち・・・。そしてこんな夢もみる。明日にでも君のような悪魔たちには公訴時効というものをなくし、私が退任した後でも私の後輩たちが君を捕まえる夢を。

 がんになったら最後まで治療をするのは当たり前だ。それなのに君のような社会のがんを世の中から除去するのに公訴時効があるというのはおかしいと思わないか?

 カプトリ。知ってるか?最近も私の後輩たちは同じような事件で国立科学捜査研究所に行く時、必ず君の遺伝子サンプルも提示しているということを。私はもう時間がない。しかしまだ華城にいる。辞めるその日までは君を探すつもりだ。

 そしてあの“クソ公訴時効”さえなければ、私がいなくても後輩たちが君を必ず捕まえるだろう。私たちも以前とは随分変わった。

 どうか私より先に死なないでくれ。私たちは必ず会うべきだ。そうだろカプトリ。
                                                          //朝鮮日報


参考図書 :華城事件は終わっていない / 殺人の追憶 

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